大貫DJ@鴬谷、東京キネマ倶楽部 4/9(SUN)
〜 いやー、あんなハコが今もあったとは、感動だね!〜
4月9日の日曜に、普段滅多に行くことのない場所、下谷のダンスホール「東京キネマ倶楽部」なるところで、DJをした。御存知の方も多いかと思うが、このイベントは前日の8日のものと連動したもので、前日はメインが映画「SHANE」の告知を兼ねた、いわば、ポーグス・リスペクト的な感覚のもので、日本のラスティックというか、アイリッシュ・パンクというか、まぁポーグスをこよなく愛するバンドたちと映画のプレミア上映という構成で、
そこにゲスト出演したのが、ノルウェーから来た7人組の陽気な酒飲みバンド、GREENLAND
WHALEFISHERSであった。
その彼らが単独で公演を行なったのが、翌9日に行なわれたライブであり、友情出演で、今回のイベントの企画から実際の運営まで、まさにDIY精神で関わったLOS
RANCHELOSがステージに立ったのだ。
実際のところ、こんなイベントで赤字コカないのか?と案じたものだが、いざフタを開けてみたら、満杯、とはいかなかったがそこそこの入りで、何より会場の「東京キネマ倶楽部」というのが、今や昭和の遺物、みたいなセンスのダンスホールだというのには正直驚いた。知り合いのレコード会社の古い友人に聞いたら、これまた驚いたことにそこを知っていた。以前、使用したことがあると言われて、自分のモノの知らなさに逆に呆れた。そんなに有名なのか、あのハコは!
そう言えば、かつて赤坂山王に大火災を起してニュースになったホテルがあったが、そこの地下にあったのが「ニュー・ラテン・クォーター」というクラブというかホールで、その昔はあのプロレスの神様、力道山もよく通ったとか言われていた場所だ。そこは、そういうクラブによくあるような造りで、基本的に半円型の丸い天井を備えたもので、床には絨毯が敷かれており、楽団の入るスペースを設けたステージは高さはさほどでもないが、実にゴムジャスな感覚だった。
何でそんなトコロを自分が知っているのか、と言えば、もちろん遊びに行ったなどということはなく、いつだったか年月はとうに忘れたが、80年代、そこでイギリスの人気エレ・ポップ・バンドDEPECHE
MODEが公演を行なった際に、自分がMCをつとめさせてもらったのだ。後にも先にも、外タレ公演のMCなんてその1回きりだから、よく覚えている。海外には、そういう造りの会場も少なくないのだが、日本ではロックのコンサートと言えば公会堂とか市民会館とか、妙に半端に近代的な施設が普通だったから、ダンスホールやクラブ(昨今のクラブではないよ)でのコンサートなんて聞いたことがなかった。
今回、鴬谷のそのハコはネオンも鮮やか?にHALLと頭上に灯り(多分、DANCEの部分が消えていたのだが)、しかもそのビルが二つのクラブを持ち今もなお経営されているのだから、驚くではないか。
楽屋は、従業員というか、専属のダンサーの「待ち」場所でもあり、従ってかなり広い。いくつかの部屋に仕切られ、壁際にはダンサーの衣装と思われるスーツやシャツなどがズラ〜〜っと並んでいた。そこからステージに続く通路は何とも狭く、階段は暗く足下を照らさないとコケるような造りで、見えないところに金はかけない、という主義なのかどうかは知らないが、楽団の方々はさぞ大変だろうな〜などと余計なことをボンヤリ思った。
DJブースはステージ脇のやや高いスペース(一体普段は何に使うのか?)にしつらえてあり、ステージからフロアはもとより2階席までが一望出来るのだ。気持ちは悪くない、どころか気持ちいいね。フロアはダンスホールであるから、当然、板張りでしっかりしている。それ以外の床面は絨毯敷きでシートも大半がボックスである。壁面もそれなりの装飾で、雰囲気は抜群と言うべきだろう。懐かしき昭和の香りが充満していた。そこで、まず、LOS
RANCHELOSが30分ほどステージを行ない、その後に自分がDJをした。
持ち時間は50分といささか長いんじゃないかとも思ったが、そういう割り振りだから存分に好きな選曲で、雰囲気とともに自身満喫した。お客さんの中にはいいかげん早く終われよ、という方もいたかもしれないが、自分が決めたわけではないので、BGMとしてのプレイを行なった。プレイ・リストは別表の通りだが、少し後悔というか、GREENLANDのライブを見ていて、予想外にパンクな雰囲気を醸していたので、「なら、そういう選曲でも良かったかな?」とは思った。自分の選曲の基本線はあくまでBGでフォークなモノ、という設定だったからね。
しかし、先述したようにステージに現れた彼らは、思いのほかパンクないでたちで、とりわけ、ボーカルのArvid(発音が、聞いたけどよく分からない)なんかはジップ・パンツに長いウオレット・チェーンを2本がけで、ジャラジャラの上にタイが金属だらけ、ウチのヒカルに近いくらいのメタル量だ。ギタムのTrondはTシャツがRAMONESである。まぁ、その二人以外はフツーに普段着、とは言わないがまぁそれなり、だ。紅一点のウィッスル&ボーカルのAgnesはわりと長身でカラダにフィットした黒のややシースルー気味のドレス?で、サングラス。演奏はさすが、世界の各地を渡り歩いているだけはある。手慣れているというか、鍛えられていて特にお喋りをするでもなく、かと言って無愛想でもなく、終始なごやいでパワ−全開で曲を次々とプレイして行く。
ポーグスのカバーなども織りまぜ観客にアピールするところも忘れない。オールタイムのバンドではないとのことだが、つまりみんなが他に仕事を持っているらしいのだが、聞きそびれた。
とにかく、会場も観客も自分としては、久々にいい感じの雰囲気の中、酒宴のようなステージは続いたのだ。
そして、最後に、この企画を立て実行したバンジョウくんやGARACTICA
RECORDS、Or
Glory他のスタフ、関係者の諸君には頭が下がる。DIYスピリットが生き生きと、そこに輝いていた。そう、ビルのてっぺんのHALLのネオンのように。ちなみに彼らの新作『DOWN&OUT』はOr
Gloryから今月初めに発売されている。また、LOS
RANCHELOSの新作もライブ会場限定でいよいよ発売である。まずは5月3日の恒例の『DOWN
BEAT RULER
』で見て買ってみて欲しい。それから、ついでに言うと、「LONDON
NITE」@WIREの来月1週目のゲストDJはバンジョウくんだ。
こちらもお楽しみに!
大貫憲章 / KENSHO ONUKI
(KENROCKS)
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